北原白秋『さすらひの唄』朗読mp3
-『生ける屍』の唄より-
行こか、戻ろか、北極光(オーロラ)の下を
露西亜(ロシア)は北国 はてしらず
西は夕燒 東は夜明け
鐘が鳴ります 中空に
北原白秋『蛍』朗読mp3
夏の日なかのヂキタリス、
釣鐘型に汗つけて
光るこころもいとほしや。
またその陰影(かげ)にひそみゆく
蛍のむしのしをらしや。
北原白秋『人生』朗読mp3
野の皐月(さつき)、空ものどかに、
白き雲ゆるかにわたり、
畑にはからし花咲き、
雲雀また妙(たへ)にうかびぬ。
北原白秋『水ヒアシンス』朗読mp3
月しろか、いな、さにあらじ。
薄ら日か、いな、さにあらじ。
あはれ、その仄のにほひの
などもさはいまも身に沁む。
北原白秋『胡瓜』朗読mp3
そのにほひなどか忘れむ。
ほのじろき胡瓜の花よ。そのひと日、かげにかくれて
わが見てし胡瓜の花よ。
北原白秋『たんぽぽ』朗読mp3
わが友は自刃したり、彼の血に染みたる亡骸はその場所より静かに釣台に載せられて、彼の家へかへりぬ。附き添ふもの一両名、痛ましき夕日のなかにわれらはただたんぽぽの穂の毛を踏みゆきぬ、友、時に年十九、名は中島鎮夫。
北原白秋『たんぽぽ』朗読mp3
沼の田べりのたんぽぽは、
たんぽぽは、
咲けば、ざぶりと、
波が來る。
北原白秋『雀のお宿』朗読mp3
笹薮、小藪、小藪のなかで、
ちゅうちゅうぱたぱた、雀の機織。
彼方(あちら)でとんとん、
此方(こちら)でとんとん、
やれやれ、いそがし、日がかげる。
ちゅうちゅうぱたぱた、ちゅうぱたり。
北原白秋『時雨』朗読mp3
時雨は水墨のかをりがする。