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紺屋のおろく

にくいあん畜生は紺屋のおろく
猫を擁へて夕日の浜を
知らぬ顔してしやなしやなと。

にくいあん畜生は筑前しぼり、
華奢な指さき濃青に染めて、
金の指輪もちらちらと。

にくいあん畜生は薄情な眼つき。
黒い前掛毛繻子か、セルか、
博多帯しめ、からころと。

にくいあん畜生と、擁へた猫と、
赤い入日にふとつまされて、
潟に陥つて死ねばよい。ホンニ、ホンニ……

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解説

北原白秋、少年時代の柳川での記憶です。 近所の紺屋(染物屋)にお洒落でツンとすました感じのお姉さんがいたのです。

そのお姉さんに子供らしくハァハァと惹かれながらもどうせ相手にしてもらえないから「死ねばよい」とかマイナスの感情を抱く… 男なら誰しも子供時代似たような記憶があるのではないでしょうか。