虹だ。虹だ。隆太郎よ。
ああ、あれはおまえのものだ。
父さんは手をあげる。
ああ、あれは二重の虹だ。
母さんも、あれ、手をあげてる。
虹だ、虹だ、おまえの虹だ。
向うの木までが手をあげてる。
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白秋が小田原に洋館を構え、経済的に安定してきた頃の作品です。三番目の奥さん、菊子との間に生まれた長男が隆太郎です。菊子との結婚は大正10年(1921)、隆太郎の誕生はその翌年です。
家族で虹に向けて手を上げてる様子が微笑ましいですね。
ヽ(´▽`)ノ( ´ ▽ ` )ノ ( *‘∀‘ )ノ
↑まあ、こんな感じでしょう。
二重虹は虹のワッカが二重になったものです。色の並びが主虹と副虹で逆になってるのがポイントです。白秋はよく小田原で目撃し、隆太郎くんは二重虹を見ながら育ったといいます。北原隆太郎はのちに禅哲学者となり、「白秋全集」をてがけます。
「童と父」も同じく、隆太郎くんへのラブラブ、親バカぶりが出た詩です。