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人生

野の皐月(さつき)、空ものどかに、
白き雲ゆるかにわたり、
畑にはからし花咲き、
雲雀また妙(たへ)にうかびぬ。

南向く白き酒倉、
そがもとにわれはその日も、
幟(のぼり)立つ野の末ながめ
ゆめのごとむきし仏手柑(ぶしゅかん)。

かすかにも囃子はきこえ、
笛まじり風もにほへど、
父のまたゆるしたまはぬ
歌舞伎見をなにとかすべき。

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解説

父に歌舞伎見物に行きたい頼むが、許してくれない。それで、すねて泣きじゃくったんでしょう。

外に出て野原で仏手柑をむいて、口にほり込む。そのすっぱさ。そこに人生の味を感じたとゆう話です。

「酸ゆかりき」の部分が朗読の一番のポイントで、ここで本当にスッパさが出ててるといいんですが。

「仏手柑(ぶしゅかん)」はミカン科の常緑低木。実は大きく柚子に似ています。

こういうふうに【味覚】がある【感情】と結びついて思い出されるのは、よくある事じゃないでしょうか。

私事でいえば居酒屋の安めのゲソ足とかエイヒレくちゃくちゃしてると、大学時代の無責任~な空気とか思い出しますね。

白い雲、雲雀の声、南向く白き酒蔵とか、遠くから風に乗って響いてくる笛の音など、雰囲気がとても好きな詩です。