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曼珠沙華(ひがんばな)

GONSHAN.(ゴンシャン)GONSHAN. 何処へゆく
赤い御墓の曼珠沙華(ひがんばな)、
曼珠沙華、
けふも手折りに来たわいな。

GONSHAN. GONSHAN. 何本か。
地には七本、血のやうに、
血のやうに、
ちやうど、あの児の年の数(かず)。

GONSHAN. GONSHAN.気をつけな。
ひとつ摘んでも、日は真昼、
日は真昼、
ひとつあとからまたひらく。

GONSHAN. GONSHAN. 何故(なし)泣くろ。
何時(いつ)まで取っても、曼珠沙華、
曼珠沙華、
恐(こは)しや赤しや、まだ七つ。

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解説

童謡の中にすごく恐いのや残酷なことを歌いこんだ奴 がありますね。「この子の七つのお祝いに」とか、「かごめかごめ」とか「赤い靴」とか 歌詞が不気味で、なんかスゴイ謎がありそうでサスペンス劇場のネタ になりがちなやつです。そういう、「恐い童謡」テイストを出した詩です。

この女性(GONSHAN)は子供を喪ったようです。 私は最初、中絶したのだと思っていました。7年前に中絶をして、 それ以来墓参りに来てる、と。

女性はそれを悲しい痛ましいことに思いながら、隠したい無かったことに したい気持ちもある。しかし、どんなにごまかしても事実は覆い隠せない…

…最初はこう解釈したのですが、「7歳の時子供が死んだ」という解釈も 成り立つなぁ。「死んだ時のまま歳をとらない」なんて言い方が ありますが、その不気味さを出してると考えればゾクッ来るな、と。

しかしそれだとGONSHANがどこか後ろめたいような、隠したがっている説明が つかない。7歳の時死んだにせよ、何か女性の側に過失というか倫理的に まずい所があったのか?

童謡や昔話で「七」は何か象徴的な、特殊な意味のある 数のようです。七歳、七年目がキーになってる話は多い気がします。
(注)GONSHAN…九州柳川の方言で良家の娘さん。