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いづこにか敵のゐて、
敵のゐてかくるるごとし。
街の問屋に
銀紙買ひにいくときも、
うつし絵を手の甲に押し、
手の甲に押し、
夕日の水路見るときも、
ただひとりさまよふ街の
いづこにか敵のゐて
つけねらふ、つけねらふ、静こころなく。

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解説

北原白秋は子供の頃「びいどろ瓶」とあだ名されるほど 壊れやすい虚弱児でした。その繊細っぷりが出ている詩です。
どっかに敵がいて、ボクの命を狙ってる、あの角からいきなり飛び出して くるかも…さっきすれ違った人は敵のスパイかも、男の子なら 考えがちな内容です。そうやって、妙に顔を深刻にしかめているのです。

「うつし絵を手の甲に押し」がわかりにくいですが、北原白秋は子供の頃手首に写し絵を 押し付けて貼り、その写し絵の表面の油の匂いなど、懐かしい思い出となったのです。