北原白秋『さすらひの唄』朗読mp3

-『生ける屍』の唄より-

行こか、戻ろか、北極光(オーロラ)の下を
露西亜(ロシア)は北国 はてしらず
西は夕燒 東は夜明け
鐘が鳴ります 中空に

泣くにや明るし、急げば暗し
遠い燈も チラチラと。
とまれ幌馬車、やすめよ黒馬(あお)よ
明日の旅路が、ないぢやなし

燃ゆる思を、荒野にさらし
馬は氷の上を踏む
人はつめたし、わが身はいとし
街の酒場は、まだ遠し

わたしや水草、風ふくまゝに
ながれながれて、はてしらず
昼は旅して、夜は夜で踊り
末はいづくで果てるやら


トルストイの「贖罪」を戯曲化した「生ける屍」の中で、 ジプシーのマーニャが歌う劇中歌として作詞されたものです。

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