北原白秋『焼栗のにひほ』朗読mp3
玉乗の児よ、戯奴(ヂヤウカア)よ、身振をかしき鈴振(りんふり)よ。
また、いはけなき曲馬の児、
赤き上着にとり澄ます銀笛(ぎんてき)吹きの童らよ。
北原白秋『敵』朗読mp3
いづこにか敵のゐて、
敵のゐてかくるるごとし。
北原白秋『思』朗読mp3
堀端に無花果(いちじく)みのり、
その実いとあかくふくるる。
軟風(そよかぜ)の薄きこころは
腫物にさはるがごとく。
北原白秋『泪芙藍(サフラン)』朗読mp3
罅(ひび)入りし珈琲碗(カウヒわん)に
泪芙藍(さふらん)のくさを植ゑたり。
その花ひとつひらけば
あはれや呼吸(いき)のをののく。
北原白秋『接吻』朗読mp3
臭のふかき女きて
身體(からだ)も熱くすりよりぬ。
そのときそばの車百合
赤く逆上(のぼ)せて、きらきらと
蜻蛉動かず、風吹かず。
北原白秋『怪しき思』朗読mp3
われは探しぬ、色黒き天鵞絨(びらうど)の蝶、
日ごと夜ごとに針(ピン)を執り、テレビンを執り、
かくて殺しぬ、突き刺しぬ、ちぎり、なすりぬ。
北原白秋『青いソフトに』朗読mp3
青いソフトにふる雪は
過ぎしその手か、ささやきか、
酒か、薄荷か、いつのまに
消ゆる涙か、なつかしや。
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