北原白秋『男の顔』朗読mp3

ふと見てし男の顔は
夜目ながら赤く笑ひき。
そことなく囃子きこえて
水祭ふけし夜のほど、

北原白秋『焼栗のにひほ』朗読mp3

玉乗の児よ、戯奴(ヂヤウカア)よ、身振をかしき鈴振(りんふり)よ。
また、いはけなき曲馬の児、
赤き上着にとり澄ます銀笛(ぎんてき)吹きの童らよ。

北原白秋『夜』朗読mp3

夜は黒……銀箔の裏面(うら)の黒。
滑らかな潟海(がたうみ)の黒、
さうして芝居の下幕(さげまく)の黒、
幽霊の髪の黒。

北原白秋『敵』朗読mp3

いづこにか敵のゐて、
敵のゐてかくるるごとし。

北原白秋『水路』朗読mp3

ほうつほうつと蛍が飛ぶ……
しとやかな柳川の水路を、
定紋つけた古い提灯が、ぼんやりと、
その舟の芝居もどりの家族を眠らす。

北原白秋『函(はこ)』朗読mp3

過ぎし日は鍼医の手函、
天鵝絨(びらうど)の函、
柔らかに手を触れて、珍しく
パツチリとひらいた函、渡来の函。

北原白秋『思』朗読mp3

堀端に無花果(いちじく)みのり、
その実いとあかくふくるる。

軟風(そよかぜ)の薄きこころは
腫物にさはるがごとく。

北原白秋『竹林の七賢』朗読mp3

さても黄色い円月である。
さても閑雅な竹林である。
七人(ななたり)の賢い人、風月の友、
この幽人たちの面持、姿、

北原白秋『源平将棋』朗読mp3

春の夜の源平将棋、
あはれなほ思ひぞ出づる。
ただ一夜あてにをさなく
ほのかにも見てしばかりに。

北原白秋『泪芙藍(サフラン)』朗読mp3

罅(ひび)入りし珈琲碗(カウヒわん)に
泪芙藍(さふらん)のくさを植ゑたり。
その花ひとつひらけば
あはれや呼吸(いき)のをののく。

北原白秋『接吻』朗読mp3

臭のふかき女きて
身體(からだ)も熱くすりよりぬ。
そのときそばの車百合
赤く逆上(のぼ)せて、きらきらと
蜻蛉動かず、風吹かず。

北原白秋『乳母の墓』朗読mp3

あかあかと夕日てらしぬ。
そのなかに乳母と童と
をかしげに墓をながめぬ。

北原白秋『怪しき思』朗読mp3

われは探しぬ、色黒き天鵞絨(びらうど)の蝶、
日ごと夜ごとに針(ピン)を執り、テレビンを執り、
かくて殺しぬ、突き刺しぬ、ちぎり、なすりぬ。

北原白秋『陰影』朗読mp3

なつかしき陰影をつくらんとて
雛罌粟はひらき、
かなしき疲れを求めんとて
女は踊る。

北原白秋『青いソフトに』朗読mp3

青いソフトにふる雪は
過ぎしその手か、ささやきか、
酒か、薄荷か、いつのまに
消ゆる涙か、なつかしや。

外部サイト
朗読 平家物語
島崎藤村 朗読
高村光太郎 朗読
PODFEED
忍者ブログ de テンプレート
ブログパーツ 忍者ブログ
Copyright(C) 北原白秋 朗読 All Rights Reserved