天竺

天竺の国はかなたと
人つねにわれに教へき。
色あかき夕焼雲を
わが街の空に見る日は。

かなたにもおはす母君、
日に百の果物みのり、
象のむれ子を載せゆくと、
あるはまた人のかたりき。

かくてこそ空をながめて
いとけなう涙せし日よ。
夕されば雲のあなたに
天竺を思ふあこがれ

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朗読・解説:左大臣光永