泪芙藍(サフラン)

罅(ひび)入りし珈琲碗(カウヒわん)に
泪芙藍(さふらん)のくさを植ゑたり。
その花ひとつひらけば
あはれや呼吸(いき)のをののく。
昨日を憎むこころの陰影(かげ)にも、時に顫(ふる)えて
ほのかにさくや、さふらん。

解説

ヒビの入ったコーヒーカップは、ささくれた都会人の心の象徴と思われます。そのヒビ割れたコーヒーカップにサフランを植えたところ、可憐さにハッとなり、心が癒されたという詩です。

サフランは地中海原産のアヤメ科の多年草。「クロッカス」とも言います。料理の色づけにも使われます。

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朗読・解説:左大臣光永