思ひ出

序詩骨牌の女王の手に持てる花焼栗のにほひ
秋の日人形つくり泪芙藍(サフラン)陰影
初恋薊の花カステラ歌ひ時計
隣の屋根見果てぬ夢青いソフトに
時は逝く車上男の顔
天竺水ヒアシンス胡瓜源平将棋
人生鶏頭あかき林檎乳母の墓
石竹の思ひ出接吻赤い木太刀糸車
青いとんぼ午後アラビアンナイト物語
たそがれどき幻燈のにほひ
怪しき思たんぽぽ柳河
立秋水路酒の精紺屋のおろく沈丁花

思ひ出

朗読・解説:左大臣光永