午後

わが友よけふもまた骨牌(トランプ)の遊びにや耽らまし、
かの転(まろ)がされし酒桶のなかに入りて、
風味よき日光を浴び、
絶えず白きザボンの花のちるをながめ、
肌さはりよきかの酒の木香のなかに日くるるまで、
わが友よ、
けふもまた舶来のリイダアをわれらひらき、
珍らしき節つけて『鵞鳥はガツグガツグ』とぞ、
 そぞろにも読み入りてまし。

解説

北原白秋の家は柳川で酒造行を営んでいました。子供時代の白秋は こんな感じで友達と酒蔵の中で遊んだのでしょう。「アラビアンナイト物語」「酒の精」も子供時代の酒蔵の思い出を反映した詩です。

朗読・解説:左大臣光永